ビジネス実務法務検定試験は、実務レベルの法的知識を習得するための資格です。
ビジネスの世界ではいろんなところで規約や法律が出現します。
業種・職種問わず、さまざまな分野で不明なことが多い法律ですが実務レベルで学ぶことができるのが、ビジネス実務法務検定の学習の利点です。
色々なビジネスシーンで活躍している方が資格取得にチャレンジしています。
今回は、ビジネス実務法務検定の特徴や基本情報、取得のメリットについて書いていきます。
ビジネス実務法務検定ってどんな資格?
インターネットが普及する現代では著作権や個人情報、知的財産権の取り扱いなどに関するコンプライアンス分野が注目を集めています。
そんな中、創設されたのが「ビジネス実務法務検定」です。
各法律に関する専門家には弁護士や弁理士が存在しますが、高難易度であることや業務に必要のない幅広い知識を要することから、ビジネスパーソンにとってはハードルが高いものでした。
ビジネス実務法務検定では営業や販売、総務や人事などに関わるビジネスに特化した法律知識を習得することが可能です。
取引先から契約書を提示される場合は、相手に有利な内容になっていることはまずありません。
法的な知識を持つことでトラブルやダメージを未然に防ぐことが可能になります。
実務経験と資格の勉強をしていくと、こちらに有利な契約書のテンプレートの作成も可能となり、キャリアアップとしてや強みとしても用いることができます。
また、会社全体にとっても刑事責任や損害賠償のリスク、また社会的なペナルティーを避けることは重要度の高い優先事項です。
法的な知識を身につけていることは信頼されるビジネスマンの条件の一つとして考えられてきています。
社員が曖昧に進めていた業務上の判断を明確化でき、企業リスクの回避にも繋がる資格です。
ビジネス実務法務検定に合格する意味は?級ごとに何か変わるの?
ビジネス実務法務検定を合格するメリットは様々です。
冒頭でも触れましたようにインターネットやIoTの普及によって、個人が世界と繋がる機会が増えています。
会社の個人情報を外部に漏らしたり、需要な機密事項の取り扱いがおろそかであったりするケースがニュースでもよく耳にするようになりました。
ビジネス実務法務検定に合格するためには、当然ながら資格を有するための知識を身につけていなければいけません。
検定合格に臨む取り組みがコンプライアンスの意識向上に繋がります。
企業としても好ましいことですし、個人としてもキャリアアップに役立てることが可能です。
ビジネス実務法務検定は1級と2級、そして3級と3つの段階に分かれています。
他の資格と同じように1級が一番難しく、3級が最も優しい内容です。
それぞれの特徴をみていくと、3級は社会人全般および学生を対象としており、業務上理解しておくべき基本的な知識を有したレベルとされています。
2級の対象は3級と同様ですが、より実務に近い対応が求められ弁護士との対応ができるなど法律実務知識を有しているレベルです。
1級の場合は2級、3級とは対象が異なり「法務部門で働いている社会人」という明確な違いがあります。より専門的な知識を有し、多角的に高度な判断や対応ができるレベルとされています。
ビジネス実務法務検定の各級ごとの難易度と合格率
2016年度の全国を対象とした試験結果では1級の受験者数は763人、実受験者数が583人うち合格者は67名となっており、合格率は11.5%とかなり難易度が高くなっていることが分かります。
2級では受験者数は19,643人、実受験者数が15,800人うち合格者は5,056名となっており、合格率は32.0%となっています。
1級に比べて格段に受験者数が増加しており、需要の高さが伺えます。ITパスポート試験と同じくらいの合格率です。
これが3級となるとさらに受験者数は増加し24,260人、実受験者数は20,774人うち合格者は14,109名です。
合格率は67.9%と数値からみても資格の難易度としては、ある程度優しい部類だと言えるでしょう。
ただし、2017年度の第42回の1級を除く試験結果では2級の合格率は56.6%、3級では76.6%となっています。
2016年度の合格率と比較すると、3級ではさほど変わりませんが、特に2級では大幅な開きがみられます。
あくまで目安として捉えた方が良さそうです。受験者の業種は学生や不動産業、建築業など多種多様です。なかでも金融・保険業とサービス業は多くの割合を占めています。
金融系の転職を考えている方には必要な資格です。特に重要とされている業種として参考にされると良いでしょう。
ビジネス実務法務検定に独学で合格するための勉強方法とおすすめテキスト
ビジネス実務法務検定では公式のテキストが用意されているため、独学でも勉強しやすい検定だと言えます。
公式のテキストは検定試験の主催者である東京商工会議所が発行しています。
見開き左半分に問題が記載され、右半分に解答解説という解き進めやすい構成となっています。
また、過去問題と疑似問題が本試験と同様に5つの選択式で出題されます。
時間を計りながら解き進めることで、実際の試験の雰囲気を味わうことも可能です。
公式テキストは1級と2級、そして3級とそれぞれに用意されています。
出題者側が発行していることもあって、出題傾向が外れることがありません。
独学で進めると見当違いのことを勉強してしまうケースが懸念されますので、受験の際には押さえておきたい一冊です。
ビジネス実務法務検定を受けるにあたって、何から勉強して良いのか分からない方も多いはず。そんな方の第一歩として、また合格に導くおすすめのテキストだと言えるでしょう。
また、年度ごとにも異なるテキストが発行されています。
ご自分の受験される級と日程に合わせたものを選択しましょう。2級や3級の場合は、出題範囲の狭さもあって、テキストを繰り返し学習するだけでも合格を目指すことが可能です。
1級ではさらに難易度が高くなりますので、テキストに加えて通信教育や講座などを検討する必要性がでてきます。
=>ビジネス実務法務検定 通勤講座まずはビジネス実務法務検定3級から受験してステップアップしていこう
最初から1級を目指す人は限られてくるとは思いますが、ビジネスに使用する法律を有したいと考えた場合には、まず3級から受験することがおすすめです。
基本的なことをしっかりと押さえておくことは実務にはもちろん、2級や1級へとステップアップを目標としている方にも大切なことです。法律を扱う登竜門とも言えます。
2級では2016年度の合格率32.0%という数値からも分かるように、3級の合格率67.9%と比べて難易度があがっていることが分かります。
需要のあるものではありますが、新たに事例問題が出題されるなど十分な対策が必要だと言えるでしょう。
まずはビジネス実務法務検定3級から挑戦して、実際に試験を体験することが合格するための鍵です。
そうすることで出題形式にも慣れることができて、合格する確率も高まります。
また、2級の場合は基本的な説明が省かれていることもあるため、結局3級の内容から勉強し直すことになります。
二度手間になってしまい、社会人としての貴重な時間を割かれることにも繋がりかねません。
ビジネス実務法務検定3級では出題内容も比較的優しいものとなっています。
仕事をしながらでも、テキストを解き進めて合格することが可能でしょう。3級の受験はステップアップの足がかりとして最適なのです。