最難関資格である司法書士試験の勉強方法と難易度について書いていきます。
司法書士試験は独立を目指せる国家資格であるので人気もかなり高いです。ですが、試験の内容がとても難しく合格率も5%前後。
司法書士を目指す方へ勉強方法をまとめました。
司法書士試験とは?司法書士試験の特徴について
司法書士試験は、憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法など司法試験や不動産鑑定士、宅地建物取引士など他の資格試験で見られる科目が多いです。
しかし、司法書士法や商業登記法など他の資格試験で見られない科目が記述式で出題されているなど、独自性も強い試験でもあります。
司法試験に合格している人やあと一歩で合格出来なかった人でも対策をほとんどしないで合格することはほぼ無理でしょう(ただし、司法試験に合格している場合に司法書士試験を受けようとする人はほとんどいません)。
司法試験と比較すると、実務に即した問題が多い点にも特徴があります。
司法試験の場合は合格した後に修習を受けて実務に関する能力をつける機会がありますが、司法書士の場合は合格後、修習はなくすぐに実務を行えるという制度になっているからだというのが理由とされています。
試験の内容も、より実践的に作られているのも司法書士試験の特徴です。
漠然と全体を捉えるような試験問題も出題されなくはないのですが、より具体性が強いのが司法書士試験の特徴と言えるのかも知れません。
細かさで考えれば司法試験よりも難易度が高く、より詳細に覚えていないと対応が難しい問題が多いと言われています。
私も同様の傾向があると考えています。細かな点を間違わない能力をみるのは登記が重大な取引で、間違えて登記をしてしまうと取り返しがつかない失敗となってしまうからであると推察されます。
独学でも合格できる?
かつて司法書士試験が最初にはじめられた頃の難易度はそれほど高くなかったという話も聞きます。
年配の方の中には苦労すること少なく取得出来ると考えていらっしゃる方も居ました。
また、司法書士試験が司法試験の簡易バージョンのように考えている方も居ます。
しかし、現在の司法書士試験は司法試験より難しいとは言えませんが、独学で誰でも合格出来るような試験ではありません。
相当頭の良い一部の例外を除いて独学で乗り切るのはまず無理と思われます。
独学で合格したと言っていても模試すら受けないで合格出来る人はさらに希です。
択一式問題についてはともかく、記述式問題は他人の採点を受けないと何処が出来ないのか、自分が出来ない部分や不足している部分を把握することが難しいです。
絶対に不可能とは言えませんが、ほとんどの人には無理だと考えます。
しかし、全て資格試験予備校などに頼って合格するということも現実的ではないでしょう。
勉強は自分でしなければならないものです。
高校受験や大学受験と同じように自分で勉強をしつつも適宜予備校も活用する、なるべくどちらの良いところも活用して良いとこどりで勉強するのが合格の秘訣なのではないでしょうか。
予備校をなるべく活用したくなくても最低限模試は受ける必要があると考えます。
司法書士に合格すると言うゴールが一緒なので予備校にお金をかけて時間を短縮するのか、独学でお金を最小限にして時間をかけるのかと言う問題だと思います。
司法書士の難易度
司法書士の難易度は司法試験に次ぐレベルであると言われています。
それどころか、ある意味では司法試験より難しい問題も出題されています。
どちらが難しいかの単純比較はできないものの細かな知識が要求されるという意味では司法試験より難しいとも言えます。
司法試験と違って受験に年齢や性別、学歴などの制限がなく誰でも受けられる門戸が広い試験なので勘違いされている方もいらっしゃいますが、最難関に位置する資格試験の一つであると言えます。
受験するに当たっては相当の覚悟と決意が必要となるでしょう。
宅地建物取引士と科目は被っている部分は多いように見えるものの難易度は段違いでしょう。
宅地建物取引士と比較した場合は、宅地建物取引士の30倍から50倍ほどの勉強時間を要します。
とは言え、範囲は被るので宅地建物取引士に合格して弾みをつけて司法書士試験を受けるという手段を採るのも一つの手です。
概ね合格までにかかる勉強時間に換算した場合の難易度は、司法試験がトップで、それに次いで弁理士・税理士・公認会計士・司法書士であると言われています。
また、不動産鑑定士よりは時間がかかるとしている人や予備校は多いです。
不動産鑑定士を持っている人は登記法など被る部分も結構多いので合格した人なら時間は短縮できるかも知れません。
司法書士合格するためのおすすめの勉強方法
何度か述べていますが、この試験に合格することは多くの人にとって並大抵の努力で果たせるものではありません。
多くの時間を勉強に費やす覚悟を持って必死に取り組まなければ合格することは出来ないでしょう。
勉強の仕方にはいろいろ考えられ、予算や本人の能力にも左右されると思いますので、安直なことは言えませんが、お金があまりなく、予備校にかける予算が制限される場合は、
基本的には独学になってしまいます。もしくは安価な通信教育を受けるかです。
参考書を購入して、まずは過去問を覚えこみます。最低10年分はどんどん覚えこんでいきましょう。
ここでのポイントは過去問を解くことではないということです。
初学者がいきなり解こうとしても出来るはずがないからです。
なぜいきなり過去問から手をつけるかと言えば、過去問を覚えることによってどのような問題が出題されるのか確認するためです。
最初に参考書を読もうとしても出題されるポイントがよく分かりません。
これを避け、時間を節約するために過去問から手をつけます。
とは言っても、法学部出身者という訳でなければ法律の独特さについていけないかも知れません。
現在は独習に向く参考書も多く有りますが、予備校を活用して初学者用の講座を受講して初歩は予備校に頼るのも一つの手だと考えます。
司法書士合格するための勉強時間
司法書士に合格するための勉強時間については諸説あって定かではありません。
前提知識や本人の能力にも依存するでしょう。一流国立大学の法学部法律学科出身者と高校を出ていない人とで勉強する時間が同じである訳がありません。
しかし、一つの目安として概ね2000時間~3000時間であると言われています。
かなり密度の濃い勉強をして2000時間だとされています。
これを一日に勉強する時間が8時間であるとすると概ね一年でクリア出来る数字です。また、一日4時間だと2年です。
東京大学法学部出身の人や慶應義塾大学法学部出身者の人などが半年で合格した、7か月で合格したなどという著書も見かけますが、多くの受験生は自分にもできるとは思わない方が良いでしょう。
前提が違い過ぎるように思います。ただ、勉強の仕方などには参考となる部分もありますので、読んでみて自分に取り入れることが出来そうな部分は取り入れてみると良いと思います。
多少は合格までにかかる時間の短縮として機能するかも知れません。
多くの人は3000時間はかかるとみておいた方が無難です。
一日4時間ほど密度の濃い勉強をしたとして2年です。
しかし、勉強時間は参考程度に止めて留意すべきで、進捗具合や模試の結果を目安にした方が良いかも知れません。
まとめ
司法書士試験は難易度がかなり高い国家試験です。
楽々合格される人はかなり少ないでしょう。
ですが、難易度が高い試験に合格するということは単純に世間に認められることです。
法学部出身に限らなくても、挑戦できる資格です。資格のために必要なのはやる気と根気です。人生一発逆転の資格を取りたい方にはおすすめの資格です。